123号

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旅行の話 3

9月23日(金)晴

ヴァチカン美術館の日。

朝8時45分にホテルを出て、地下鉄でヴァチカンに向かう。
地下鉄は混んでいた。
通勤ラッシュ……にしては、時間が遅いような気もするけれど、イタリアだしな。
昨日と同じ、テルミニ駅でA線に乗り換え、オッタヴィア駅で降りる。
ヴァチカン美術館まで歩く途中、壁沿いに、既に大行列ができている。
コロッセオ以上だ。
事前に予約しておいて、本当に良かった。
ネットで予約するのには、入場料の他に、手数料も(確か)4ユーロかかるから、すごく迷ったけれど、本当に。
建物の外で警備の人に予約票を見せ、中に入る。
空港のようなセキュリティチェックを受けた。
入り口から、しばらく歩いたところで、音声ガイドを借りる。
日本語あった。
ここもパスポートを預ける必要があった。
ヴァチカンだから大丈夫!と己に言い聞かせて預ける。
音声ガイドのレンタル料は、7ユーロだった。

美術館の中は、小さな部屋や廊下が(とりあえず私の目には)無秩序に連なっている。
わざと迷わせるような造りに見えた。
目当ての絵や彫刻を探すのに、広い美術館の中を何度も行ったり来たり、うろうろぐるぐるする。
半藤一利の『日本のいちばん長い日』で、玉音放送の録音盤を探す兵隊が、宮内省の複雑な構造に翻弄されるけれど、ああいう気分だった。
展示品は、結構な名画が、割と無造作に置かれていたりする。
現代美術の間の、誰もいない小部屋に、オディロン・ルドンの『ジャンヌダルク』を見つけて驚喜した。
淡いパステルで描かれた、少女の穏やかな表情は、静謐という言葉がぴったりで、小さな絵だし、誰もいないしで、恥ずかしながら持って帰りたいと思ってしまった。
現代美術の間の絵は、前の法王か、前の前の法王かが、集められたものとのこと。
また、展示品だけでなく、建物自体も見なければいけないので、目がいそがしい。
天井画を、ずっと見上げて歩いていて、首が痛くなった。

有名な作品では、ラファエロの「アテネの学堂」が、想像していたよりも小さいのが意外だった。
同じラファエロの「聖ペテロの解放」が好きな絵で、これをじっくり見られたのは、嬉しかった。
システィーナ礼拝堂には、つごう1時間ほどもいた。
「天地創造」と「最後の審判」で、まったく飽きない。
ミケランジェロすごい、以外の感想が出てこない。
「最後の審判」に描かれている地獄の元ネタが、ダンテの『神曲』と聞いて(音声ガイドで)、飛行機の中で、『やさしいダンテ〈神曲〉』を読んでおいて良かったと思う。
ミケランジェロと、天井画を描かせたユリウス2世の関係はグッとくる。

美術館内で、トイレはあちこちにあるので、便利だった。
カフェテリア、おみやげ屋も、そこここにある。
昼は、カフェテリアの中の一軒で、ハンバーガーとポテトのセット(7ユーロ50セント)と、ポークステーキ、ソーセージ、サラダ、パン、ヨーグルトのセット(13ユーロ50セント)を頼んだ。
ハンバーガーは、マクドナルドっぽいそれではなく、フランスパンみたいなパンの間に、肉のパテが挟んであるもの。
展示品は、部屋が閉まっていて見られない物も、割とあった。
私たちが行ったときには、エジプトものが全部、アウグストゥスの像がある新回廊、それに、ラファエロの「キリストの変容」が見られなかった。
新回廊を探して迷ったとき、声をかけた警備の人がおもしろかった。
「新回廊どこにありますか?」と聞くと、「Closed」と答え、その後、「ジャポネーゼ?」と今度は逆に聞いてきた彼は、日本に行ったことがあるとのこと。
東京、京都、奈良、広島に行って、特に奈良が美しくてお気に入り。
次に行くときには、ぜひ「サッポーロ」と言っていた。
ヴァチカン美術館の中では、「キリストの変容」がオススメで、「そこはClosedで見られなかった」と言うと、「マジ?」と聞き返してきた。
時間によって開いたり閉まったりすることもあるから、もしかしたら、今は開いてるかもしれないから、と別の警備の人を電話で呼んで、持ち場を変わって、案内してくれる。
結局、「キリストの変容」の部屋は終日Closedで、絵は見られなかったけれど、その心遣いが嬉しい。
と同時に、この人は、きっと日本に行ったとき、日本人から親切にされたんだろうな、と思う。
今回の旅行で強く感じたのが、ローマの人が、皆とても親切にしてくれる、ということだ。
金が絡む場所でも、絡まない場所でも、老若男女問わず。
それも、皆さん、我々が日本人だと認識した上で、親切にしてくれる。
おそらく、私たちより先にイタリアに行った日本人が、ちゃんとお金を使ってイタリアの経済に貢献したり、サンピエトロ聖堂で騒いだのも今は昔で、感じよく振舞ったからだろう。
そのおかげで、今、私たちが親切にしてもらえる。
どこかの誰かよ、ありがとう。
そのとき、情けは人のためならず、と言おうと思って、何か違うな、と思って、思い出したのが、倫理的に振舞うことは、長い目で見ると合理的だ、という言葉。
日本に戻ってから、あれ何の本だっけ、と探したら、内田樹の『街場の現代思想』だった。
村上龍の『恋愛の格差』を引用した一節なので、獺ちゃんは読んでもいいですよ?(上から)
(後から、あるいは、地震のニュースがあったからかもしれない、と思った)

午後4時すぎにヴァチカン美術館を出て、ホテルに戻る。
前日に続いて、疲れきっていて、夕食もとらず、シャワーだけ浴びて寝る。

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