123号

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漫画ナツ その4

 こちらの記事の続き。
 リストアップされているマンガの内容については、予告なくネタばれする可能性があります。
 順番がリストと前後しますが、今回は、3.であげたマンガについて。
 「キーワードは『夏』」ならば、夏本番が過ぎ去る前に書くべきだろう、ということで。
 「夏」の内容は、具体的に言うと、上から順に「戦争」「高校野球」「恐怖」「海」です。

(1)キーワードは「戦争」
『アドルフに告ぐ』手塚治虫
『総員玉砕せよ!』水木しげる
『コミック昭和史』水木しげる
『はだしのゲン』中沢啓治
『ロボット三等兵』前谷惟光
『夕凪の街桜の国』こうの史代
『38度線』石原理
『飛ぶ教室』ひらまつつとむ

 まずは『アドルフに告ぐ』。
 まんがの神様のマンガは、どれを読んでも、やはり神様だなあ、と思わせられるものばかりですが(最近だと、『聖☆お兄さん』で、ブッダが『ブッダ』を読んで、「手塚治虫スゲェ……」と泣いていたのが印象的)、『アドルフに告ぐ』もそのひとつ。
 アドルフ・ヒトラーの出生の秘密をめぐって、ともに日本と縁の深い2人のアドルフ、ユダヤ人のアドルフ(アドルフ・カミル)とドイツ人のアドルフ(アドルフ・カウフマン)や、大勢の人々が歴史だの運命だのに翻弄されまくる物語。
 1936年のベルリン・オリンピックから話が始まり、終戦、イスラエルとパレスチナの紛争を経て、1983年に、ヒトラーも含めた3人のアドルフのうち、最後の1人が亡くなって話が終わります。
 ドイツの敗戦で話を終わらせず、その後、中東戦争の中でカミルとカウフマンの関係に決着をつけさせるところがさすがです。
 『KING OF ZIPANG信長』の森川久美先生もですが、登場人物の人生の描きにくいところをきちんと描く、マンガ家はすごいと。
 ヒットラー・ユーゲントでのカウフマンによる射殺シーンは、いまだにおそろしすぎてトラウマ。
 再読するときも、ついついその部分だけ飛ばして読んでしまいます。

アドルフに告ぐ (1) (手塚治虫漫画全集 (372))アドルフに告ぐ (1) (手塚治虫漫画全集 (372))
(1996/06)
手塚 治虫

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 次に、『総員玉砕せよ!』は、昨夏、香川照之の主演でドラマ化されました。
 『鬼太郎が見た玉砕 〜水木しげるの戦争〜』。
「私は何でこのような つらいつとめをせにゃならぬ これも是非無い国のため」
とドラマの中で歌われた兵隊節が印象的でした。
 このマンガと、同じ水木先生の『コミック昭和史』をあわせて読んでいると、国家間の戦争というのがおそろしいものだということが、理屈ではなく感じられます。
 軍隊に入ると、上の人間から特に理由もなく「ビビビビビ」とやられるのか、たまらんなあ、という具合に。
 戦争は、いったん始まってしまえば、水木先生のようなタイプの人まで、否応なく巻きこんでいく。
 おそろしい。

総員玉砕せよ! (講談社文庫)総員玉砕せよ! (講談社文庫)
(1995/06)
水木 しげる

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コミック昭和史〈第5巻〉太平洋戦争後半 (講談社文庫)コミック昭和史〈第5巻〉太平洋戦争後半 (講談社文庫)
(1994/10)
水木 しげる

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 『はだしのゲン』、『夕凪の街桜の国』は、いずれもヒロシマに関するマンガ。
 先日、映画の『ひろしま』を観る機会があったのですが、建物疎開に出ていた中学生が被爆して川に入り、先生とともに「われは海の子」を歌いながら沈んでいく場面など、『はだしのゲン』でも見たことのある場面が多くありました。
 でも、『はだしのゲン』の方が、何というか…実写以上におそろしい。
 『夕凪の街桜の国』は、逆に、絵としてはそれほどおそろしくはないマンガです。
 被爆時の様子は、被爆された方の描く絵のような単純化された描写がされています(それが逆にこわいという意見もある)。
 おそろしいのは、もしかすると当日以上に、その後。
 原爆が、何十年経っても被爆者自身、あるいは、その後の世代を苛み続けていくことです。
 特に、凪生が東子にあてた手紙を七波が読む場面。
 もしも、それが否定できないことになった場合、私はどうしたらいいんだろう。

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻
(1993/04)
中沢 啓治

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夕凪の街桜の国夕凪の街桜の国
(2004/10)
こうの 史代

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 『飛ぶ教室』は、ここにあげた中では唯一、まだ起こっていない戦争のマンガです。
 「ジャンプ」の打ち切りマンガですが、私と同世代には、おぼえている人も多いんじゃないかと。
 連載は1985年。
 まだ冷戦も終わっていない頃です。
 核戦争後の世界を小学生たち+先生で生き抜こうとする話。
 核戦争ではありませんが、『漂流教室』は楳図マンガなので、多少みがまえて読むことができました。
 こちらは、一見単なるラブコメである分ショックでした。
 テントの中で幼なじみとイチャイチャした後、外に出てみると、街は壊滅している。
 死体もごろごろある。
 そりゃねえよ、と思わずつぶやいてしまいます。

飛ぶ教室 1

 『38度線』は、やはり表題作の「38度線」。
 単行本の裏表紙に書かれたあらすじを引用すると、
「”第二次世界大戦後の朝鮮半島を、北と南に分けた北緯38度線が俺達の生きた舞台だった…。”
 上官を殴り最前線へととばされたアイクは軍事国境(38度線)で時間交代の警備につくことになった。
 そこで顔をつき合わせることになった敵の兵に…!?」
 反応してほしくてたまらなくなります。
 相手も人間だということを知りたい。
 38度線の向こうで、アイクの落としたミッキーマウスのコインを拾って掲げる、北の歩哨の笑顔はきれいです。

38度線

 そして、最後に『ロボット三等兵』。
 あらすじは以下のとおり。
 宇宙的大科学者のトッピ博士は、日中の開戦を知り、陸軍に入隊を志願するが高齢を理由に不合格となる。
 仕方がないので自分の代わりに兵隊となるロボットを作るが、できあがったロボットには、肝心の魂が入っていない。
 ところが、魂を入れる先の赤ん坊を忘れた天使が、面倒だから、とこのロボットに魂を入れてしまう。
 人の魂をもったロボットを、博士は早速入営させるのだった…という話。
 陸軍のかみなり連隊に志願したロボットは、ロボットだからと三等兵に。
 『究極超人あ~る』で、あ~るが西園寺まりい(多分)に、ロボット三等兵呼ばわりされていました。
 後になってこのマンガを知り、ああ!これがロボット三等兵か!と。
 ところで、主人公はロボットですが、軍隊での体験は、上に書いた水木先生のマンガに出てきたようなものとそう変わりません。
 マンガショップ版の下巻の帯に、「いやじゃありませんか軍隊は」と「軍隊小唄」の歌詞の一部が書かれていました。
 そんな感じ。
 兵隊節のような生活です。
 主役はロボットですが、戦時中なのに兵隊各々には緊張感がないのも、何だかリアルな感じです。
 話によって、ロボット三等兵は喋ったり喋らなかったりしますが、喋る話での喋り方は、割と読み手にうつりやすい。
 代表は「いやなことを言うね」。
 他に、ご飯のにおいを嗅いで「いいにおいがするね」や、立派な髭の生えた兵隊がいばっているのを見て、「ひげの威力はすごいものだね」だとか。

ロボット三等兵【下】 (マンガショップシリーズ 179) (マンガショップシリーズ 179)ロボット三等兵【下】 (マンガショップシリーズ 179) (マンガショップシリーズ 179)
(2007/07/20)
前谷惟光

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 本日東京行。
 そろそろ家を出る準備をしなければなりません。
 ので、残念ですが、続きはまた。



(2)キーワードは「高校野球」
『甲子園の空に笑え!』川原泉
『天使とダイヤモンド』那州雪絵

(3)キーワードは「恐怖」
『おそろしくて言えない』桑田乃梨子
『未来歳時記バイオの黙示録』諸星大二郎
『ドラえもんのび太の魔界大冒険』藤子F不二雄

(4)キーワードは「海」
『人魚の傷』高橋留美子
『光の海』小玉ユキ
『バイオ・ルミネッセンス』漆原友紀(志摩冬青名義)
『私家版魚類図譜』諸星大二郎
『海人ゴンズイ』ジョージ秋山
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