123号

『功名が辻』第49回「永遠の夫婦」

 という訳で最終回。先週のラスト、一豊くんが天守閣で倒れた場面の続きから始まりました。
 ワシはもうダメじゃ、と布団の上で落ち込んだり拗ねたりする一豊くんが、大変にかわいらしい。このかわいらしい生き物に会えるのも、もうあと少しだと思うと、寂しくなります。

 驚いたのは、第7回「妻の覚悟」(2月20日の日記参照)で、大河を一瞬、「3ねーんBぐみー」に変えた新右衛門の息子、徳次郎が、お医者で再登場したこと。
 確かに、彼の家出エピソードに序盤とはいえ1話まるまる費やしたからには、またどこかで出てくるに違いない、とは思っていましたが、まさかここでの再登場とは…。

 再登場といえば、さすがに最終回だけあって、今回は作中まだご存命の登場人物が、再登場のオン・パレードでした。
 特に印象的だったのは、堀尾さん。先に亡くなられた中村さんのお家騒動に兵を出さないか、と土佐まで一豊くんを誘いに来ました。
 これを拒絶したのは、一豊くん本人ではなく千代。一豊くんが、《ちーよ》と千代を宥めるときに名前を呼ぶのが、とても好きです。結局、山内家は堀尾さんの誘いに乗らず。堀尾さんが、おそらくは単独で兵を出すことになりました。そして、このことが、堀尾・中村両家の、後のお取り潰しにつながったとか。
 一豊くん・千代・堀尾さんの3人が話しているシーンで、以前、中村さんの最期に際し、私が感じたことと、同じようなことを堀尾さんが口にされたのが印象的でした。
 もし、あと1話、追加可能だったならば、是非、このあたりを掘り下げたエピソードを見てみたかった。すなわち、堀尾さんと一豊くん、そして中村さんの特に晩年の関係を。のぼりつめた果てに掴むのが、幸せとは限らない、あるいは幸せのみとは限らないことが、戦国出世物語の表看板の後ろに、常に見え隠れしているのが、このドラマのおもしろさだったんじゃないかな、と。

 回想シーンで嬉しかったのは、千代が一豊くんの両頬をぎゅーっと引っぱるシーンがもう一度見られたこと。あれは第8回でしたか第9回でしたか。2人ともかわいいなあ、もう、とニヤニヤしてしまいました。
 そして、一豊くんの臨終場面には、不謹慎ながらドキドキしました。弟も家臣もおらず、千代とまったくの2人きり、という状況で死んでいくのが、何というか、とても一豊くんらしいと思いました。千代の腕の中で、千代に寄り添われて、最期の一豊くんは、何とも幸せそうでした。それもあって、泣くかな?と予想していた、一豊くんの臨終シーンですが、特に泣くこともなく。
 千代が一豊くんを静かに看取り、ひと晩明けて、やはり冷たい夫の体に、確かめるように触れ、号泣、の流れには、悲しい、というよりむしろ見てはいけないものを見ているような気がして、ドキドキしました。何か、2人だけの空間をこっそり覗き見しているような、そんな感じ。ひどく生々しい。

 驚いたのは、大阪夏の陣。淀殿最期。大蔵卿局の、
《治長!!》
 大野治長出てたんですか!?あれ?これが初登場?
 家康と二条城で対面した場面もそうですが、豊臣秀頼がなかなか凛々しい美丈夫でした。『葵』以来、実は贔屓のこの方です。
 豊臣家の終焉を、京都でねね様とともに見届け、旅に出る千代。
 永井杏ちゃんと仲間さんと、一豊くんとの出会いの場面を2度くり返したのは、前者がいわゆる回想シーン、後者が千代の心象風景としての回想シーンを表していたのでしょうか。
 ラストの、一豊くんが千代をおぶって海岸を歩くのも。改めてかわいい2人でした。

 さて、ごく短いですが、『功名が辻』総括。
 1年間、楽しんで楽しんで見ることのできた大河ドラマでした。前半は信長、中盤は秀吉、後半は家康。3人の天下人に寄り添うようなかたちで時代を駆け抜けた感のある山内夫妻の物語は、中だるみすることもなく、毎週日曜の夜8時を待ち遠しく感じていました。放送開始前、地味な主人公だ、大丈夫かな?と思っていた、己の不見識を恥じたいです。
 後は総集編を残すのみ。さ、寂しい…。

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かんげの「人生、その日暮らし。」 | 2006年12月14日(Thu) 01:34