123号

『功名が辻』第48回「功名の果て」

 前回のラスト、一豊くんに、《お暇をいただきとうございます》と奥様伝家の宝刀を突きつけた千代。一豊くんに土佐20万石の器量はなかった…そうかも、と普通に思ってしまうわが身が哀しい。
 新右衛門の懇願も聞き入れず、城に戻らぬまま、1人、庵に住まう千代のもとに現れたのは、今は出家して湘南と名乗る、かつての拾でした。
 河内山城、後の高知城の築城は、どんどん進んでいます。
 しかし、千代のいない現在、当然のことながら、一豊くんの表情は冴えません。
 そんな兄の様子を見かねた康豊くんなのか本人なのか、それとも他の人なのか、とにかく誰かが一計を案じ、一計というのは要するに仮病ですが、千代を城に呼び寄せます。
 一豊くんは、なぜ先週の種崎浜のアレを千代に秘密にしたまま行ったのかを、千代に語ります。とてもとても男子っぽい理由。この理由に納得がいくか否かはともかくとして、あの一豊くんを目の前にしたら…許さざるをえないと思いました。
 千代が一豊くんとの話し合いを終えて、新右衛門、康豊くん、吉蔵、拾の待つ部屋に戻ってくるときの、拾除く3名の慌てぶりがおかしい。
 千代に、《よくぞ私を謀りましたね》と言われたときの康豊くんが、割と本気で恐がっているのがおかしいです。彼はつくづくスネ夫だと思います。
 おかしいといえば、仮病で寝ている一豊くんの頭に濡れた布を置く等、看病をしているのが吉蔵、という絵面も、何だかおかしゅうございました。《失礼いたします》の花の無さ。花の無さが笑いに転化しています。

 一豊くんのもとに千代が戻った後、場面は京都へ。高台寺を訪れた千代は、ねね様と天下の行方について語ります。そして、ねね様に、山内家の跡取りである、康豊くんの息子に嫁を迎えたいが、家康に仲人…この場合、仲人でよろしゅうございますか?とにかく、仲人を頼んでもよろしいか?と。
 この場面、ほぼ笑いっぱなしのねね様と、この後の淀殿。2人の「豊臣の女」の笑いの意味は一体何だったのか。諦め…諦めでしょうか。
 一方、一豊くんは、康豊くんとともに伏見城へ赴き、家康と上記のお仲人について家康のOKを取りつけ、まずはひと安心。この場面、妙にはりきっている様子の康豊くんがおかしかったです。おかしい人なのだな。

 さて、やっとお城が出来ました。
 天守閣に並ぶ一豊くんと千代。語り合う2人。以心伝心テレパシー。
 と、棒のように倒れる一豊くん。ここ、本当に棒のように倒れていました。い、痛そう…。
 以上が、今回のあらすじ。来週はもう最終回。早い!早すぎる!
 次回予告に(多分)秀忠登場。『葵』の光圀…?

 今週の陰険漫才
 徳川家康VS黒田如水
 家康は如水が相手だと、一豊くんが相手のときのように韜晦はしませんね。《不逞の輩はその方ではないか》を、まさかストレートに口に出すとは思いませんでした。

 今週のそれは嘘であろう台詞
 黒田如水の《浮世になーんの欲もございませぬゆえ》

 さて、ここから先はもう、いち一豊くんファンとして、大きな声で叫びます。

 今回の一豊くんはかわいい!!

 最終回を直前にして、久しぶりの一豊くんかわいいスペシャルでした。ありがとうございます。
 お暇をいただきたい、と千代に言い出されてから、何だか常に涙目の一豊くん。顔を見るだにかわいそうであります。
《暇をくれなどと申すな》
 うわあ、この顔かわいそうです。今にも千代の着物の裾に縋りそうな。

 千代が出て行った後、そんな一豊くんのかわいそうオーラに、当てられてしまったのは息子と弟でした。
 新右衛門はいつでも殿!全開なのでここには含めません。

 まずは拾。いつのまにか16歳になっていました。
 一豊くんと一緒に築城中のお城を見て回っているとき、長浜にいたころ、あれほど仲の良かった2人が、なぜ別居?と尋ねるのに、《わしもそう思うがのう》と涙目で。
 躓く。おそらくは何もない場所で。
《年を取ったわ》

 そして康豊くん。妙に狭い中庭で、夜、兄が槍をぶんぶん振り回しているところに、うっかり行き会ってしまいます。
 回想で若豊くんも登場。「運命の再会」あたりですか、あれは。槍をぶんぶん振り回しながら、《千代ー!!》と絶叫。あのとき君は若かった。

 拾は政の心得として「寛猛自在」の言葉を母に教え、一豊くんと仲直りをするよう諭します。
 康豊くんは、千代に戻ってきてもらうべく、一豊くんの仮病大作戦に協力。ところで、この作戦を考えたのは、兄か弟か。
 ああもうどうして千代が帰ってきた後の回想でも良いから、山内兄弟が2人して(無い)知恵を搾って作戦を練っている場面を見せてくれなかったのか。実際に行われた作戦は仮病ですが、仮病以下のおもしろ作戦が他にもたくさん出ていたに違いありません。

「兄上、義姉上の好物は?」
「ああ…うーむ、千代は近江の出身ゆえ…(ぼんやり)確か、ふなずしが好きじゃ」
「ふなずし?」
「うむ、ふなずし」
「それはどのような食べ物で?」
「ふなの、すしじゃ」
「ふなの」
「ふなのじゃ」
「されば、義姉上のおられる吸工庵より城の入り口まで、ふなずしを点々と…」
「おお!さすれば千代が『あら、ふなずし』とふなずしを拾い食べつつ気がつけば城門まで…」
「はい!気づかぬうちに、戻ってこられるというわけでございます。さすが兄上、聡い!」
「そなたこそ、さすが我が弟」
 兄弟でうふふふふー、みたいな。ああ、見たい見たいそんなシーン。

 ところで仮病大作戦は成功。
 寛猛自在を教えてもらった後、ガバリと起きる一豊くんの勢いに笑いました。あ、一豊くんは、「かん」は寛容の「かん」と言われても、何が何だか分からないと思います。
 泣く、頭を下げる、縋る、訥々喋る、拗ねる、開き直る。
 一豊くんは、自らの持てるかわいいスキルを総動員して千代に迫ります。あれでは、千代でなくとも何だかかわいそうになってしまうに違いありません。
 老いてなお、子犬の面影を残す男、一豊くん。ああもうかわいい!
 《千代がおらねば…》と涙声で。半泣きで。うう、かわいい。
《こうでもせねば千代が戻ってこぬと思ったのじゃ》
 叱られて言い訳をしている子どものような初老の男性。

 そして、一豊くんの何よりかわいいところは、素直なところだと思います。
《誓う。誓うゆえ、もう一度戻ってきてくれ》
 なかなか言える台詞ではありません。
 千代が出て行く前に2人で話しているシーンですが、勢いで「出て行け」だの「もうお前なんぞ戻ってこなくていい」だの、口にしてしまってもおかしくはない状況であります。
 しかし、一豊くんは、間違ってもそのようなことは口にしない。やはり、人間素直が一番だ、と思いました。

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一言居士!スペードのAの放埓手記 | 2006年12月04日(Mon) 00:24