123号

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

寝言

昨日書いた『平清盛』の感想を自分で読んでみたら、相変わらず寝言みたいなことばかり書いている……。
いやしかし、この寝言みたいなことを書かざるをえない気持ちにさせるのが、この物語の持っている力なんですよ!などと、力いっぱい主張してみます。

ところで、『平清盛』が始まってから、常々不思議に思っていたことは、どうして、清盛は白河院の息子であることを、政治の武器として使わないんだろう、ということでした。
たとえ《もののけ》と呼ばれても、あれは法皇。
特に、保元・平治の乱より前、平氏の嫡男・清盛が貴族の皆さんより明確に蔑まれていた頃など特に。
その辺り、詳しい人にはちゃんと分かる何かがきっとあると思うんですが、私にはどうも……。

そして、どうも……の不勉強のままで、このドラマに限って結論したのは、使わないんじゃなくて、使えないんだな、ということ。
つまり、もし清盛が白河院の血を引いていても、自分が平氏=武士だという自認ができていれば、むしろ、上に書いた、白河院の落胤ですよ、というのは、きちんと割り切って使えたと思うんです。
けれど、清盛は、初回から最終回の現在に至っても、まだ足元がぐらぐらしている。
お前は誰だ、とフィレモンさんに聞かれても、答えられずペルソナはもらえないGAME OVERです。
だから、白河院の子というのは、清盛にとって、今も使うことのできない武器のままであり、鹿ケ谷の陰謀の後で、西光の言った、《復讐》という言葉が地雷となりうる。

ここから、ムックの完結編で読んだあらすじ等のネタばれになるので、少し改行します。




主役の松山さんのインタビューで、清盛は、自分の子供たちが精神的にも貴族化してしまったことに内心忸怩たるものがあった、と仰っていました。
そりゃそうだろうよ、と思いました。
清盛の子供たちが、精神的に貴族化してしまったことについてです。
清盛の子供たちが、置かれた環境は、少なくとも保元・平治の乱の後についていえば、明らかに貴族のもので、しかも、重盛はじめ配偶者も貴族。
仕事仲間は、藤原摂関家の皆さんを始めとする貴族の方々で、仕事の内容も以下同文。
これはもう、宗盛あたりお歯黒していないことがおかしいほどの貴族です。
その中で、もし、精神的にも貴族化しないために何かすべきだったのは、清盛その人だろう、と。
我々は、今はこうだが、昔はこうだった、そこから立ち上がってきたのだから、決して、昔の自分たちを忘れることのないように。
清盛には言えません。
なぜか、と言えば、上に書いたとおり。
今も自分が誰か分からず、足元はグラグラのゆらゆらだから。
印象でものを書いているので、もしかすると間違っているかもしれませんが、先代・忠盛は、自分の父は、そして祖父は……みたいなことを口にしたことがあったような気がします。
父、祖父、曾祖父……と、ある意味無限に遡れる平のヒストリー。
また、忠盛のときには、伊勢平氏、という言葉も聞いたような気がします。
清盛の口からは、どちらも聞いた覚えが(たぶん)ありません。
縦の時、横の土地から切り離されて、清盛は、私たちの物語ではなく、私の物語をのみ生きているように見えます。
ゆえに、生き急ぐ。
ゆえに、自分が死んだ後の平家のことを考えたやり方ができない。
福原を、たとえば、京の都のような繁栄を持続させるものとして経営することを、(このドラマの中の)清盛はしない。
過去がないから未来もない。
そういえば、例の魔法のアイテム《宋剣》を、清盛は重盛に与えていないような……与えたか?
私は、割と清盛びいきで今年の大河を見ているのですが、今のままだと、清盛はいわゆる一つの血の呪縛の中で、あらがえずに滅びていくんだとしか。
富士川の戦いで惨敗した後の忠清とのやり取りとか、あらすじ読むだに辛いです。

この上は、頼朝に、清盛も平家も私たちの中に含めた上での次の時代に行ってもらうしかない、と思います。
そうすれば、きっとハッピーエンドです。
頼朝が、平家がもはや手放した、土地との絆(野菜作り)を大事にする時政の娘婿になったのも、きっとフラグだよ、などと。
昨日、友だちが、頼朝にもふたりの父がいることになるんだよ、義朝と清盛の両方が各々違う意味での父だってことになるんだよ、みたいな言っていて、この人天才じゃなかろうか、と思いました。
スポンサーサイト

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

信長は『平家物語』を信じていなかったと考えます

前略『平清盛』、あるいは平清盛に対する評価、常々楽しく読んでいます。

 私自身は今回の大河ドラマ程度の知見は後の戦国武将、特に天下を野心した領主の一般常識だったと仮定して観ていて。清盛は信長の強引さと秀吉の派手好みを併せ持つ人物だけど、「殺してしまえホトトギス」で残虐さが強調される前者にしても、同盟や和睦で平定していったから。

 (室町)幕府を立てることは(清盛が)王家を立てたことと同義と認識していたはずであり。だから「威光を利用した天下の取り方」は踏襲したと考えるけど、織田家一門で支配することはなかった。もちろん織田家自体に(戦国時代ではありふれた)家督争いがあったことも、身内に任せられなかった原因の一つと私は仮説。

 考えてみれば楽市楽座は自由主義だから他人に任せるこを意味し、能力主義と考え方は同じ。一方で清盛が目指すのは自分の理想の成就なので、自分の子供でも任せられない。だから王家の逆鱗に触れたときに源氏を利用されて平家は滅びたが、信長一人を殺しても政治体制が変わること、つまり再び足利に戻ったり天皇親政が実現することはなかったのですね。

 私は他者を抜擢することで新しい政治体制を保護しようとする仲間が多くなり、守旧勢力への牽制になると考えたと、傍証だけで結論を。草々

大塩高志 | URL | 2012年11月12日(Mon)22:44 [EDIT]


コメントありがとうございます。

毎回毎回、あんまり他人様が読んでくれているという意識なく好き勝手に感想など書いているので、改めて読んでいると言っていただくと、嬉し恥ずかしい気分です。
清盛が目指すのは、あくまで自分の理想の成就なんですよね。
もちろん、信長や秀吉にしても、それは同じだったでしょうが、それを他人にも、身内にすら任せられなかったのは、今年の大河ドラマでの清盛の悲劇だったと思います。
信長の、身内と争いがあったので身内には任せられず、他人に任せざるをえない楽市楽座などに乗り出したのが、自分が死んでも変わらない政治体制につながった、というのは面白いですね。
歴代大河ドラマの主人公たち(キャストの方ではなく)の座談会など、つい妄想してしまいます。

123号 | URL | 2012年11月12日(Mon)23:17 [EDIT]


なんか難しくてよくわかんないですが

鮭元気そうで何より!!
ってこの長文読んで思いました(小並感)。
ところで我が地元で大河をやるとしたらもう八犬伝くらいしかやる事ない訳ですがエネチケーさんはファンタジーも受け付けてくれますかね…。
そして昨今のアレンジされっぷりでは天草四朗が女子もしくは男の娘にされそうで…。

ノ@二枚目ハーン | URL | 2012年11月13日(Tue)02:23 [EDIT]


失敗学としての『平清盛』

前略 返信、感謝いたします。

 私は粗末な武具を羽織った中井貴一を見て、今回の大河ドラマが戦国時代以前の戦国物と理解しました。つまり制作班が戦国物と定義したと蓋然できるけど、研究者の努力による平家の再定義を受けてのものと推察した次第。しかし『平家物語』で平家悪玉論が大衆に流布される一方で、武士という同じ地位にある者は、平家の物語を失敗学の貴重な教材にしたと考える。

 昨日の信長の自由主義に続いて、今日は家康について。織豊政権の遺産、組織と人材を丸ごと継承できた家康に課された命題は、継承できる政治体制を確立することのはずであり。大名に対しては財政を疲弊させ、朝廷に対しては政治介入の徹底排除に、平家を反面教師にした痕跡を私は窺うのですね。

 また家康の人生を反映した遺訓も、「権力を継承できなかった平家」を免れた要因と、私は仮説。

草々

大塩高志 | URL | 2012年11月13日(Tue)22:41 [EDIT]


Re: 失敗学としての『平清盛』

そういえば、家康も源氏を称していましたね。
源氏長者。
『平清盛』では、藤原氏の氏長者が時どき取沙汰されるのも、面白いなあ、と思いながら見ています。
そういえば、大河ドラマで藤原氏を始めとするガチの貴族が主役になったことってありませんね。
『風と雲と虹と』も、主役は平将門ですし。
大河ドラマに限って言えば、日本人の認識は、自分=武士なんだな、と思わず言い切ってしまいそうになります。
そして、他者としての貴族。
平安時代以外の大河ドラマでも、武士(主人公)が、貴族社会との関係に悩むものは枚挙に暇がなく。
徳川家康・秀忠・光秀の『葵三代』の後半なんて、まさにそれで、あれも面白いドラマでしたね。

123号 | URL | 2012年11月14日(Wed)22:01 [EDIT]


よく分からないとは

なさけない(ドラクエ調)。
だから、あれほど親子に関する研鑽をつんでおけと言ったのに。
八犬伝というと、冒頭に犬がアレをアレして……というファミリー層を徹底的に拒む仕様のアレですね。
実は30年以上前の大河で、貴女の地元は既に舞台になっているん……ですよ?(たぶん)

123号 | URL | 2012年11月14日(Wed)22:06 [EDIT]


 

トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。