123号

ながいけん『第三世界の長井』4巻 感想 ネタバレあり

ちょっと前に、『第三世界の長井』の4巻が出ていたので買いました。
3巻が出たのが2015年だから、割とサクサク出ているような…体感です。

第三世界の長井4

ながいけん『第三世界の長井』4巻


以下あらすじ

元この世界の神で、今は神をやめた帽子の少年(I.O)のところへ、アンカーと呼ばれるデタラメな設定が書かれたメッセージが送られてくる。
しかし、どんなにデタラメな内容であっても、アンカーに書かれていることは実現し、それによって、世界はどんどん歪んでいく。
たとえば、タイトルにもなっている高校生の長井が、落書きのようなタッチで描かれ、ヒーローとして宇宙人と戦うことになる、ただし、武器は少し大きめの石だし、棒立ちで半端に振り向いたまま、「バリアー」と口にすることでビームを弾いたりする…のはアンカーの影響。
デタラメなアンカーによって世界はどんどん歪む。
世界の終わりが近づいている。
3巻のラストで、I.Oは、自身の後任の神である少女・音那に言っていた。

「世界の終わりに人類は飲み込まれる。人類は増えすぎたのかもしれない…」
「人類は他のものに比べて意志が大きすぎる…こんなに増えたら世界の因果律の場が持たないのかも…」

増えすぎた人類の意志により、世界の因果律の場に、バグのようなものが生じ、それが長井たちのように歪んだ存在を生み出してしまう。
I.Oは、音那が、人類を減らそうとしている可能性に思い至る。
(人類が減る=人類の意志が減ることなので、因果律の場が持たないことがなくなる=世界が安定する)
4巻では、おそらくアンカーの影響によりアメリカの原潜が沈み、それを知ったI.Oは、長井たちのような因果崩壊の異物を利用して戦争を起こせば、自分の手を汚すことなく、人類を減らせる。
音那は、それをやろうとしているのかもしれない、と考える。
小さな歪みはもう数えきれないほど、たくさんのヒトの死に繋がるような、大規模なものも…。
という中で、再び音那と邂逅し、自分たちの他にも(おそらく自分たちより上位の)神がいる可能性を口にしたI.Oの身に、衝撃的な出来事が…で次巻に続く。

あらすじ終わり

あらすじ長くなったし、自分でも書いててよく分かりません。
よく分からない、でもおもしろい、のが『第三世界の長井』(いいこと言った)。
4巻で特筆すべきは、みんな大好きあのお方が帰っていらっしゃいました。

神聖モテモテ王国1

ながいけん『神聖モテモテ王国』1巻

このお方。
嬢ちゃんたちよってたかれー。
4巻収録の第14話に、『神聖モテモテ王国』の新エピソードが、まる1話分入っています。
一人で出かけたオンナスキーを尾行するファー様を、I.Oが見つけてびっくりするも、ファー様は常と変わらずナオン狩り。
今回のアレは「ダイナ迷子」でした。
道に迷ったかよわい迷子として、ナオンの母性本能に訴えかける、はずが、お巡りさんに持っていかれるファー様。
その後は本当に迷子になった挙句、やくざ殿に遭遇したり…アンタ変わんねえな、ファー様…と思わず目頭が熱くなりました。

で、このキムタクの新作で大いに笑った後、ふと思いついて、もう一度4巻を最初から読んでみました。
ただし、I.Oが世界の終わりについて考えたりする部分をすっとばして、長井が博士を石化させる部分なんかだけを抜き出すように。
すると、びっくりするくらいおもしろいのな、ギャグ漫画として。
石化した博士の冷たく硬質な肌触りを、「前のバージョンよりよくねえか?」って言う長井に、I.Oが「お前博士の価値を肌触りで計るなよ」っていうところとかな。
それで、『第三世界の長井』の中では、ファー様の存在、ひいては『神聖モテモテ王国』そのものが、アンカーによる歪みの産物なんですな。
ちょっとゾッとします。
これまでも、トーマスが出てきたりして、ふたつの漫画の関係は、何となく示されてきてはいたんですが、やっぱりですか。
そういえば、『神聖モテモテ王国』2巻のデビル教団が初登場する回で、ファー様がオンナスキーに対し、わが国に悪の魔の手が伸びていると主張しているんですが、そのページの一番下に、突然、横書きで一文。

「本当に悪の魔の手が伸びていたと仮定してみる。」

で、アンゴルモア大王率いるデビル教団が登場するんですが、これ…アンカーじゃねえの?
今後、キムタクの読み方が変わってしまいそうなのがこわいです。

あと、4巻でちょっと良かったのが、I.Oの部屋で、I.Oとカンジが二人でストロングゼロとか飲んでる場面。
カンジは3巻の表紙で、I.Oの右に立っている眼鏡の青年です。
普段と違ってラフな格好で、酔っぱらっているのか目が据わってて、「世界の異変を是正する時期はもう過ぎているのかもしれない。」とか、いつもの引用引用また引用の難しい理屈でなく自分の言葉で、I.Oに対して弱音を吐いたりしてて。
ああ君たち意外と距離の近い間柄というか…そうですかそうですかありがとうございます、という感じでした。

5巻…急ぎませんので、とにかく出していただければ。
続き、楽しみにしています。
I.Oが心配です。

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カレー沢薫 『猫工船』1巻 感想・ネタバレあり

最近、私の中で大ブームのカレー沢薫先生。
今出ている中で、一番好きなのが、『猫工船』です。

猫工船1

カレー沢薫 『猫工船』1巻

さすが、猫を「おキャット様」と呼んで崇めるカレー沢先生だけあって、とにかく登場する猫が皆かわいい。

以下あらすじ。

少子高齢化により人口が減った日本において、労働力と年金財源確保のため、「猫の手拝借法」という法律がつくられた。
この法律にもとづき、日本中の猫たちは、群馬県のとある孤島にある工場(ネ工場)で一年間働くことが義務づけられる。
主人公のミケは、愛するおばあちゃんと暮らしていたが、この法律によりネ工場につれてこられ、強制労働につくこととなった。
早くおばあちゃんのところへ帰りたい…そんな気持ちで日々がんばるミケだったが、初めての給料をFXで溶かし、更にバイナリーオプションで一年間の強制労働が二兆年に伸びたあたりから、雲行きがあやしくなり始める…。

あらすじ終わり。

とにかく登場する猫が皆かわいい(二回目)。

特に、主人公のミケは、FXやバイナリーオプションにハマって軽く自滅し、その後もFXでひたすらポンド一点買いを続け借金をふくらませ、ついにはポンドが訪ねてきて(表紙のカレー沢先生の名前の下にいるのがポンド)、「次下がったときは遠慮なく売ってくれ」と言うところまで堕ちていく…ところが特にかわいい。
言っている意味が分からない向きもあるかもしれませんが、とにかくこの、基本的には良い猫、ただしFXで借金まみれのポンド狂いというのが、ミケの一番の魅力です。
1巻で私がすごくかわいいなあ、と思ったのは、高い服を買ってルームメイトのトラに羽振りがいいと言われ、「今月はFXの調子がいいミケ~~~」と答えたときの、「ミケッミケッ」というミケの笑い声…声なの?
読んでいると、つい、オラもミケちゃんみたくFXで破滅してえ!(小町ちゃんっぽく)と思ってしまう、危険な漫画です。

あと、個人的にミケと同じくらいかわいいと思うのが、途中からミケとトラの部屋に加わるスフィンクスのファラ夫。
エリート猫で、選ばれた飼い主と暮らすため、来日したところ、空港に着いた途端ネ工場に連行され、まだ一度も飼い主と会っていない悲劇の猫です。
ちなみに、ファラ夫のまだ見ぬ飼い主・カオルさんは、男性遍歴が地雷原につっこんでいる感じのOL。
古い言葉でいえばだめんずで、バンドマン志望の彼氏に月70万貢いだりするため、ミケとトラに本当にOLか疑われているアラサーです。
カレー沢先生とお名前が一緒なのは、何か意味があるんだろうか。
カオルさんは愛が重いタイプで、ファラ夫のチョッキは手編みなんだけれど、毎日同じものが1キロ以上送られてきます。
その手編みのチョッキを、「このチョッキはカオルさんの手編み!」と胸を張るファラ夫が、滅法かわいい。
ファラ夫は割と気が弱くて、時どきベソベソ泣いたりするんだけれど、その泣いている姿が、またかわいい。
ネ工場の様子が動画配信されていると知って、「カオルさーんファラ夫ですよー」とぴょんぴょんしている姿もまた。

とにかくかわいい『猫工船』。
猫が好きな人も、『蟹工船』が好きな人も、FXが好きな人も皆読めばいいんじゃないかな、と思います。

ナゾ野菜

カレー沢薫 『ナゾ野菜』

ところで、カレー沢薫先生の描く猫はとてもかわいいのに、人間の男性は、割とちょっと人としてアレ率が高いと思うんですが、『ナゾ野菜』に登場する、カレー沢先生の御夫君・マコトさんは、全然そんなことなくて、とても良いです。
せっかく『やらない理由』も出ることだし、『ブスだけどマカロン作るよ』も、Kindleになってくれないだろうか。

やらない理由

カレー沢薫 『やらない理由』

ブスだけどマカロン作るよ

カレー沢薫 『ブスだけどマカロン作るよ』

『かわうそは僕の嫁』

『かわうそは僕の嫁』というマンガを、今日、本屋でジャケ買いしました。
正確に言うと、タイトル買い。
友人にコツメカワウソがいるので。
しかし、一つ懺悔したいことがあって、1巻きちんと読んだら、ヒロインはコツメカワウソではなく、ニホンカワウソ(たぶん)のようでした。
私は、波にザパーンとかドペーンとされて、ピキャーとかモピーとかしている奥さんが好きです。
あと、ハトの会話。
うちのみどりちゃん(小鳥)は、もう少し複雑なことを考えているような気がします。

かわうそは僕の嫁 (1) (ウィングス・コミックス・デラックス)かわうそは僕の嫁 (1) (ウィングス・コミックス・デラックス)
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街子 マドカ

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網焼きバタートースト(くるみとハチミツのせ)がおいしそう。
活きドジョウの踊り食いもおいしそう。

今週の

「モーニング」は、かわぐちかいじ先生の『ジパング 深蒼海流』で、頼朝がmeets政子しました。
『深蒼海流』の政子も、イノシシかついで藪の中から現れてもヨシ、くらいの政子でひと安心。
この政子なら、今後の荒波につぐ荒波の中でも、不幸の影を帯びることなく、承久の乱で御家人の皆さんの前に立ったときも、アジテートアジテートシュプレヒコールシュプレヒコールまたアジテートで、一気に勝利に持ちこめ…がんばれ北条。

愛しのジョセフィーヌ

職場の人に、『俺様ティーチャー』の最新刊を読ませてもらいました。

俺様ティーチャー 16 (花とゆめCOMICS)俺様ティーチャー 16 (花とゆめCOMICS)
(2013/05/20)
椿いづみ

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前にここでも書いた、『月刊少女野崎くん』と同じ作者の漫画です。

月刊少女野崎くん(1) (ガンガンコミックスONLINE)月刊少女野崎くん(1) (ガンガンコミックスONLINE)
(2012/04/20)
椿 いづみ

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ヤンキーがいっぱい出てくるから、と以前既刊も貸してもらっています。
16巻はバトル度低め。
15巻のアッキーと小鞠先輩の話の〆で、河内も巻きこんだソレがあるくらいでした。
由井編の決着は次巻なので、そこでは何かありそうです。
しかし、由井編……由井って言われると、一瞬誰だか分かりません。
忍者かメガネって言われれば、一発で分かる。
今回、鳩のトリ吉(ジョセフィーヌ)がいっぱい出ていて、とても嬉しかったです。
あの番長が、トリ吉のためならモールスのいる風紀部をやめようとまでするなんて……。
一人と一羽の仲は、意外と深いようで、ほほえましい限りです。
この漫画、キャラクター割とみんな好きなんですが、そんなトリ吉との関係もあって、一人上げるとするなら、やはり番長でしょうか。
こじらせすぎた初恋の二人、今やストーカーと化した黄山の番長と、野々口さんも、セットで好きです。
あの二人、どうにかならねえかなあ……。